料亭「萬鱗」さんで行われた結婚披露宴にお呼び頂いた法霊神楽のお手伝いに行ったら感動した話
本日、神社からすぐ近くにある料亭「萬鱗」さんにて結婚披露宴が行われ、法霊神楽をご希望頂いた為に私もお手伝いで伺いました。
東京都の方と八戸市の方のご結婚という事で、遠方から親族の方々もご参列になっていましたので、初めて法霊神楽を見る方もいらっしゃったと思います。
実はこの直前、私は非常にバタついていました。
本日神楽からお手伝いをお願いしたいという話がある事を私は知らされておらず、しかも元々岩手県久慈市での地鎮祭が入っている時間帯でしたので、物理的に難しい状況でした。
しかし、諸事情により地鎮祭が日程変更となった為、今までできなかった事務処理や限定御朱印の郵送分を発送する手続きなどの為に外出していました。
すると12:50頃に神社から電話。
13:30からの萬鱗さんの神楽に何時頃到着するか?って連絡が来ている、と。
いやいや、俺そんなの頼まれてないよ、しかも40分後って…
そもそも本来地鎮祭で久慈市に居たはずだったんだから受けるわけないでしょ。
という事で神楽には神社からその様に連絡が行ったようです。でもひとまず神社に戻ろうと思い、急ぎ車に乗って帰路に着きましたが、国道含めほぼ信号に引っかからず、混雑してても私の入った車線はスムーズに流れ、驚く程早く到着。
これは神楽の手伝いに行けと神様が言ってるって意味なんだろうと思い、急いで着装し、神楽には間に合いそうだと連絡を入れてもらいつつ、烏帽子や狩衣を車に積んで出発。
10分ちょっと前に萬鱗さんに到着できました。
そして法霊神楽の出番直前、中学生の甥っ子さんの手紙が読まれていました。
まずは披露宴に招待された事への感謝、そして八戸市で披露宴をしてくれた事への感謝が述べられていました。
さらに、この手紙を読んでいる子には弟がいた事、幼少期から病気だった為に病院で過ごしていた事、4歳ちょっとで人生を全うされた事、今も元気なら10歳位だった事、そうだったなら今日の披露宴を喜んでいただろう事。
そして、その弟が大好きだった贈り物を新郎新婦にも届けたい、そう言って紹介頂いたのが法霊神楽でした。
そうか、少しでも立派にやって見せなさいって事で間に合って来れるように神様に導かれたんだな、そう強く感じました。
今日は法霊神楽に時間が被って2箇所から声が掛かっていて、半分ずつ人数を割いた関係で少人数構成になっていたのもあったので、神様からしたら尚更だったのかも知れません。
私は神職であって神楽士ではないもので、神楽舞は全くできないので、いつもお手伝いと言っても修祓のように大麻祓いをする役割でしかありませんが、今日はちょっと違いました。
権現舞の際、人数的に手平鉦(てびらがね)がいなくなる、という話だったので、一部分だけ見よう見まねで私が手平鉦を担当しました。
手平鉦を持ったのは、実に30数年ぶりです。いつも見てる神楽舞を思い出しながら、難しい事が出来ないので簡単な拍子に終始しました。
途中自分が何をしているかわからなくなって音が飛んだりした気がします。
これも神の導きでしょうか…多分少しでも立派にやれって事でこうなったのだと思うようにします。
そして、遺影が置かれたお席が準備されていましたので、きっとその男の子も席について皆んなと喜んで神楽を見てくれたと思います。
新郎新婦のお写真などもご紹介できればよかったですが、その時間も無く許可取りも難しい環境でしたので、萬鱗さんのお写真と神楽士の写真だけ掲載させて頂きました。
御両家の皆様方に於かれましては、今日の慶賀を寿ぎ心より御祝申し上げ、新郎新婦の末永いお幸せと、御両家の更なる発展を祈念申し上げます。