ナゼ初詣は深夜0時にするの?と小学生に聞かれた話
先日の午後、鳥居近くの手水舎で様々作業していた時の事。学校帰りの小学生が通りかかって、こちらの作業を見ていたので「こんにちわ、学校楽しいか?」と話しかけた所、今日はあんまり楽しくなかったよ、と。
あれっ肩透かしかよ!と思った所、何してるの?と聞かれたので、水がうまく流れるようにチェックしてる、これから寒くなったら凍って水出なくなるかも知れないからね、お正月も水出た方がいいじゃん、などと話しておりました。
そこで聞かれたのが
「お正月って、何で夜12時に神社に行くの?お昼じゃダメ?」
この質問、サラリーマン時代に取引先の接待の折に、相手先の取締役にも聞かれた事がありました。
実家が神社なら知ってるんじゃない?と。
そしてつい最近、神社すぐ近くにある猫カフェ猫八の経営者で、私の中学時代の同級生にも同じ事を聞かれました。
サラリーマンの時は「いやぁ詳しく知らないですけど、多分一年の計を願うなら少しでも早い方が縁起がいいとか、そういう感じじゃないですか?」と答えました。
適当に言ってしまい申し訳ない事をしました。
しかし今となっては全く違う考えがあります。
神職になってから、あれ?これって実は?と思い当たった事です。
習ったり教えてもらった訳じゃなく、自分的にこういう事だったのかもと思いついた私見です。
間違っているかも知れません。
その私見というのが、
【まずは一番最初に神様に挨拶するため】
という考えです。
根拠となる事もあります。
神職として神社本庁から階位と神職身分を与えられ、最初に受ける「初任神職研修」時にあった事がその根拠です。
この研修、青森県の場合は神社庁に泊まり込みで3泊4日位で行うのですが、その時注意事項として言われた事がありました。
朝起きても、朝拝行事が終わるまでは誰とも挨拶や会話をしてはならない、声を出さない会釈や目礼程度にする様に。
理由としては、朝起きて身を清めたら、一番最初に挨拶をするのは神様で、人との挨拶や会話はその後でなければならない、という事でした。
この事から、新年になって最初に挨拶するべきは神様であるので、先に人との挨拶を交わしてしまわないように年が変わるあたりに詣でる、という事なのかな?と考えました。
現代の生活では初詣まで誰とも挨拶や会話をしないというのは難しいでしょうから。
一般社会でも、もしも同じ場所に社長と部長がいて挨拶するなら、先に社長に挨拶しないとマズいよな?などと思いながら。
初任神職の研修時は、朝起きて顔を洗い歯を磨き、白衣白袴を着装したら、そのまま神殿前で祝詞奏上などの朝拝行事となり、終わってから初めて挨拶を交わすという流れでした。
朝拝までは全員無言です。
という経験から、神社神道はもとより、昔の方々はまずは神様に挨拶するのが先、だから間違って他の人に挨拶して順番がおかしくならないように年が変わるタイミングで早く詣でる、という様な風習が出来てきたのかなと考えてみました。
詳しく調べてない上に思い付きみたいな話ですので本当かどうかわかりませんが、考えに至る根拠となった初任神職での事は事実です。
本当の事、もし知ってる方がおられたら教えてください。
最後に余談ですが、初任神職研修の時、朝お風呂に入らないと気持ち悪くて一日過ごせない性格の私は、他の人より少し早く起きて、流し台で顔だけじゃなく頭まで洗っていました、11月の冷たい水で。