子供のテスト勉強を見てたら国語の掲載作品に考えさせられた話

中学生の娘は、現在三次考査のテスト期間真っ只中で、ほぼ勉強漬けの毎日です。

国語の読解問題の解釈が定まらないから見てほしいというので教科書を見たところ、米倉斉加年さんという方の「大人になれなかった弟たちに…」という作品でした。

簡単に言うと戦時中、終戦直前の話で、母と祖母、弟、妹との暮らしが書かれています。

父親が出兵している事、食べる物がなくて、子供達に食べさせる為に母が食べなかった事、その為母乳が出なくなり赤ん坊の弟に配給のミルクをあげるのがギリギリだった事、甘い物が手に入らないから、隠れてミルクを何度も盗み飲みしてしまった事など。

疎開する為に親戚を頼ったところ、いきなりうちには食べ物が無いと言われ、そんなつもりじゃ無かった悔しさを決意に変えて踵を返して帰って来た事。

話で聞いて知ってはいたものの、実感できない壮絶な戦時中の生活が伝わってくる感じがしました。

他を頼って疎開したものの、疎開者には配給が無く、最後弟は栄養失調で幼くして亡くなります。

母は、空襲で爆撃されて死ぬより看取られて死んだ弟は幸せだったと言い、多分ですが主人公が度々ミルクを盗み飲みした事を気に病まない様に心遣いします。

しかし、小さな棺桶に入らなかった弟の遺体を、ヒザを曲げて納めた時、いつの間にか成長していた事に気付き、このまま成長し続けたかったであろう子の意思を感じ、またこれまで耐えてきた辛さを思い、母は初めて泣きます。

その日から15日後、終戦を迎えます。

というような作品でした。

今まで度々戦争の話題を投稿してきました。
その私自身偉そうな事を述べながら、結局実感する事なく、日々意識する事もなく、ある意味好き勝手な生活をしています。

今やいつ第三次世界大戦が起こってもおかしくない世界情勢にも関わらず、何となく大丈夫な気がしながら生活していますし、この作品のような生活に数年と耐えながら生きていけるかと言われれば自信がありません。

それでも子供達の事を思えば、同じような経験はさせたくないですし、耐えられないなど言ってたら守る事も出来ないんだと恐怖を覚えました。

今回子供の勉強がきっかけでこの作品を拝見したわけですが、現実、こういう過去の戦争の歴史を学ばなければならないというのは綺麗事じゃないんだ、本気で必要不可欠で差し迫った事なんだ、という事を考えさせられました。