陸奥国八戸総鎮守 法霊山龗神社ブログ

青森県八戸市の総鎮守である法霊山龗神社で行われている日々の社務や神社や神道に関する豆知識、地鎮祭やお宮参り、七五三をはじめとしたお祝い事をブログでご紹介しています。

八戸三社大祭

八戸三社大祭法霊山龗神社オンライン渡御祭第二十五日目 〜左比代虎舞〜︎

令和三(2021)年 八戸三社大祭
法霊山龗神社オンライン渡御祭
第二十五日目 〜左比代虎舞〜︎

法霊山龗神社instagramからの投稿

■ 動画1:御通り︎
■ 写真2〜3:御通り︎
■ 写真4:御還り︎
■ 写真5:御通り出発前︎
■ 写真6:練習風景︎
■ 写真7:出発式

協力:八戸テレビ放送

龗神社行列では最後の伝統芸能となります、八戸市小中野地区に拠点を置く「左比代虎舞(さびしろとらまい)」の紹介です。

昭和60年に発足し、平成5年から龗神社行列に供奉するようになった左比代さんは、今や八戸を飛び出し、日本全国のみならず海外からも声が掛かる程の団体になりました。

左比代さんによると、虎舞は全国11の県、およそ26の市町村に伝承があるそうなのですが、その多くが太平洋沿岸の港町である事等から、漁師達によって伝えられたものと考えられているそうです。
特に三陸海岸沿いの港町に多く、八戸も例に漏れません。

虎の霊力への信仰は古く、「虎は千里行って千里還る」という故事になぞらえて漁業安全や大漁を願い、「龍は雲を制し虎は風を制す」の故事からは火伏せや家内安全を祈願するなどの意味があるとの事です。

左比代虎舞は虎とヒョットコ、ササラを持った子供達が笛太鼓や手平鉦に合わせて勇壮かつユーモラスに舞いますが、神通力をもった子供が荒れ狂う虎を導き、結果虎の霊力が発揮されると考えられている為なのだそうです。
また八戸地方では、昔から虎に頭を噛まれると病気にならない、頭が良くなるなどと信じられ、行列の中で人気を博しています。

この左比代虎舞の代表者さん、3月から12月までの毎週日曜日早朝に開かれている、館鼻岸壁朝市(たてはながんぺきあさいち)では「朝市珈琲」というお店を開いています。
商売というよりは、お客さんとの交流が大事、って感じでしょう。

私は日曜日のほとんどが朝から御祈祷などの準備や移動の関係で、朝市に行けるのは年に一度あればいい方ですが、周りの人は行く度にコーヒー買ってるそうなので、その話を聞いて楽しそうだなと羨ましく思っています。

ちなみにこの館鼻岸壁朝市、店舗数や規模がえげつない程の巨大朝市なのですが、それよりも一時期は中古車まで売っていたり、全く意味がわからないのですが何故か霊柩車が販売されていたりと、店舗の幅広さも見ものです。

左比代の代表者さんは、他にも八戸市の魅力を発信しようと様々な取り組みを行なっているようで、地元愛溢れる根っからのお祭り男という感じです。

芸の素晴らしさもさる事ながら、思わず笑えるコミカルな舞や可愛らしい子供たちの動きも魅力の一つですので、ご覧の際は楽しんでご覧ください。

また、同じく龗神社行列に参加する重地大神楽連中、湊虎舞、新井田虎舞と同様、左比代虎舞も公的補助を一切受けられず、お祭り好きの意地とプライドで団体を守り、三社大祭へ参加しています。

三社大祭の雰囲気を八戸の広い地域で感じて頂ける様になっている本当の立役者は、彼ら芸能団体と言っても過言ではありません。
あちこちで楽を奏し、舞い、地域住民を楽しませ、三社の祭りが始まる事を人々に感じさせてくれているのは彼らの大きな功績です。
彼ら芸能団体の心意気に対し、どうか皆様のあたたかなご支援を宜しくお願い申し上げます。