築30年以上経つが今から地鎮祭をしたいという方のお話
築30年以上経つが今から地鎮祭をしたいという方のお話
今日お電話頂いた方からのお問い合わせなのですが、
自宅は築30年以上になるが、今から地鎮祭をやってもらえないか?
というものでした。
このInstagramをご家族の方が見て、龗神社に相談してみたら?と言われたそうです。
地鎮祭とは、建築工事を始める前に、これから誰々が施主となり、誰々に依頼して自宅や商業ビルなどを建築したいので、場を祓い清め、饌を供し拝礼し、生贄を捧げますので、どうぞお許しください、大まかに言えばこういう事になります。
つまり建築が終わってから出来るものではありません。
ちなみに生贄とは、現代では鎮物といわれるものになっています。
但し鎮物=生贄は、私の個人見解の可能性があります。
古代では人柱や装飾品を埋納していましたが、菅原道真の祖と言われる野見宿禰の発案により埴輪を埋納するようになり、それが現代では鎮物と変遷したと考えています。
鎮物の中身は、人型、剣型、鏡型、勾玉型などのものが一般的と思います。よく鎮物をお守りの様に言う方がいるのですが、地鎮の儀といわれるクワ入れなどのやり方を鑑みても、これはお守りでは無くて生贄と理解するべきだと私は考えます。
この点詳しくはいずれ書きます。
話を戻します。
ご相談の方が、何故30年も経ってから地鎮祭をしたいと言われたのかですが、お孫さんが身体に障害を患われてしまったり、精神面も含めて他にも様々あるそうで、霊媒師に相談したそうです。
その時にいきなり言われたのが、地鎮祭をせずに家を建てたはずだ、地の神の怒りだ、という事だったそうです。そしてその様な枷は、本人ではなく子の世代や孫の世代に必ず祟るものだ、と言われ、急ぎ地鎮祭をしたい、との事でした。
確かに昔から、この様な祟りは自分じゃなくて家族など近しい周辺、特に子・孫の世代に出ると言われますが、私に霊能力の類は無いもので、それが地鎮祭をしなかったからなのかは分かりません。
一応その方に、霊媒師さんから地鎮祭をしろと言われたんですか?と聞いたら、そうは言われてないけど、それが原因ならばすぐにでもして欲しい、という事でした。なので今からでは地鎮祭というのは出来ないので、趣旨から考えて住宅祭による清め祓いを提案し、後日伺う事にしました。
この様な相談、実は2年に1〜3件程度あったりします。
同じ霊媒師さんなのかどうか分かりませんが、地鎮祭をしないのが原因で家族に思わぬ事が起きている、といったアドバイスをされたけど、どうにかならないか、というものです。
家族周りに起きている重篤な悪い出来事は、地の神への礼儀を欠いた因縁だが、自分達がその関連性に気付いていないだけだ、といった話の様です。
それは私では判断できないのですが、個人的な経験上で言える事は、地鎮祭を始め、それ以外もやるべき祭祀はちゃんとやるべき、という事です。
前にも書きましたが、幾つもの祈願を御奉仕していると様々な経験をする事もありますし、今回の様に神職では分からない、いわゆる霊的な話の相談というのも何度となく受ける事があるもので、迷信の類とせずにやらなくては怖いと感じているからです。
もし分譲マンションなどを購入し、直接地鎮祭は行う事が出来なかった場合などは、引き渡し時に新宅祭を行うのがいいかと思います。
とにかく、昔の人は科学力も無く頭が悪かったからお祓いなどに一生懸命だったわけでは無く、理由があって今に続いているものですので、適当にせず考えていくことを推奨します。
しかしながら、どうしてこうも難しい問い合わせが良くあるのかな?と思っていたのですが、どうやら法霊神楽が関係あるみたいです。
実際私が子供の頃は、法霊神楽に対して霊現象的な相談が多くあったのを覚えています。
私の曾祖母が霊感の強い人だったようで、曾祖母にはその手の相談で訪れる方が多く、現地に行かなければダメだと判断したものには法霊神楽を出張させていました。
今回はInstagramがきっかけでしたが、法霊神楽の昔の話を覚えている人が、この手の事で困ったら龗神社に相談に行け、と紹介されているようで、この手の難しい相談が来ているみたいです。
善処したいとは思っていますが、場合によっては霊現象の専門家をおすすめする場合もありますのでご理解ください。
最後に、建築祭祀の中でも地鎮祭というのは、私としては非常に不思議な祭祀だなぁと日頃から思っていまして、先程の鎮物やクワ入れも含め、追って詳しいことを書きたいと思っています。