陸奥国八戸総鎮守 法霊山龗神社ブログ

青森県八戸市の総鎮守である法霊山龗神社で行われている日々の社務や神社や神道に関する豆知識、地鎮祭やお宮参り、七五三をはじめとしたお祝い事をブログでご紹介しています。

社務日誌

法霊山龗神社instagramからの投稿

本殿御扉内から出てきたものですが、「稲蒼魂命」と彫られています。これは「倉稲魂尊」「宇迦之御魂神」(ウカノミタマ)の事、つまりはお稲荷さんの事だそうです。一般的には女神との見解が多い宇迦之御魂神ですが、どこから見てもお爺さんの木像であります。一般的に稲荷神社の主祭神と言われる宇迦之御魂神は、神宮外宮の御祭神とされる「豊受大神」と同一とする文献がありますが、豊受大神も女神とされます。何故一般的ではない老翁の木像となっているのか、その由緒を知りたいところですが、何も残っておりませんでした。この稲荷という言葉から五穀豊穣の神とのイメージが定着していますが、近年では五穀豊穣転じて商売繁盛の神として、多くの企業から崇敬を集めているようです。龗神社も水・雨の神=五穀豊穣の神とされてきたものが、近年では同じく商売繁盛の神と解釈されている節があります。しかし、同じく五穀豊穣から商売繁盛へ転じたと言っても、とある一説によるとお稲荷さんには別の側面もあると言われます。あくまでも学者さんの文献にある一つの説です。稲荷、という言葉、これは「鋳成り」、つまり鋳造により金属が生成する事を指す言葉であった、というものだそうです。古代の金属資源は、現代の感覚の理解では想像できない程貴重であった訳ですが、その金属資源が豊富である事を神格化した神としての性格を持つのだと論じる説なのだそうです。実際、有名な和歌で、「青丹よし 奈良の都は咲く花の 匂ふが如く 今盛りなり」という歌、青丹は水銀資源、咲く花は製鉄過程で発生する火花の事、つまりは奈良の都は金属資源も豊富に手に入れ、大変栄えている事を意味する歌である、この様なことが書いてあった記憶があります。まるでこじつけた様な話に聞こえますが、これがそうとも言い切れないと感じています。例えば日本武尊の東国への派兵ですが、この足跡を辿れば、その要所要所が古代の産鉄地と合致するそうです。伊勢の地、出雲の地、これらも赤色硫化水銀、辰砂と深く関係があるとされますし、古代朝廷は常に金属資源を追い求めていたと想像できる為、どれ程に重要なものであったかが理解できます。だから青丹よしは金属の歌と言われても、ただのこじつけだと切り捨てられない気がします。それ程価値のあった金属資源ですので、その神格化された「鋳成り」と言われれば、そういう神がいても全く不思議な事はないなぁ、って思ってしまいます。だから金属資源を背景に持つ可能性があるお稲荷さんが、五穀豊穣から産業の繁盛に解釈されたという性質と、水の神だから五穀豊穣、それが転じて産業の豊穣、つまり商売繁盛へと解釈された龗神社とは、同じ商売繁盛でもその経緯は異なりますよ、という話です。繰り返しますが、あくまでも一つの説です。木像から随分逸れた話になってしまいましたが、お爺さんの倉稲魂命というのが存在するのかどうか、知ってる方おられましたら是非教えてください。#神社 #神社仏閣 #龗神社 #法霊山 #法霊山龗神社 #青森県の神社 #八戸市の神社 #八戸の神社 #総鎮守 #八戸総鎮守 #八戸 #八戸市 #青森県 #倉稲魂命 #稲蒼魂命 #稲荷 #木像 #木像彫刻
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