青森県が抱えるという内部対立　津軽 vs 南部　という件

今日のデーリー東北さんの一面に、農協役員の津軽南部対立の件が載っていました。

去年か一昨年でしたが、私も青森出張の時に少しだけ経験しました。

この対立構造は、もともとは江戸時代の、青森県西部側の津軽藩、東側の南部藩(盛岡藩+八戸藩など)という国の違いから来ていると言います。

なぜ対立する事になったのかといえば、豊臣政権時代、津軽藩の藩祖となった大浦氏(のちの津軽氏)が自分の仕える南部氏を裏切り謀反を起こして独立したから、簡単に言えばこんな感じの話なのだそうです。

という訳で、その頃からの感情的対立が未だ尾を引いて、現在でも津軽と南部は仲が悪い、という様に言われるので、新聞の記事のように県全体の組織構造では問題が起きるのかも知れません。

って言ってみたものの、今時八戸市内で津軽だ南部だなどと言ってる人なんか滅多に聞くもんじゃないです。
年寄りで言う人もいるみたいですが、2〜3年に一度聞くか聞かないかレベルです。

私もそんな事意識した事なんか全く無いです。
っていうか私の周りの人達はそれが普通だと思います。

しかしながら津軽方面と言われる地域の方々はそうはいかないらしい、というのは噂で聞く事があります。

以前津軽地方に分類される青森市にある神社庁に出張に行った時、新幹線を降りてタクシーに乗った時の事。

タクシー運転手さんに、神社庁までお願いしますと言ったところ
「お客さんどちらから？」
と聞かれたので
「八戸市からです。」
と言った途端、
「お客さん、大浦為信わかる？」
いきなり聞かれたので
「あぁ知ってますよ、津軽さんの祖ですよね？」
と答えました。

すると
「いやね、大浦為信は裏切り者ってよく言うけど、実は違うんだよ。前から様々対立はあったって事でね。」

この後10分くらいこの様な話を一方的に聞かされます。

そして最後に
「八戸だと津軽をよく言わないでしょ？だからね、ちゃんと知ってもらった方がいいと思うんだね、私としては。」
と言われました。

なので
「あー、いや、津軽の方ではそう思ってるらしいって噂は聞いた事あるんですけど、八戸で今どき津軽だ南部だっていう奴いないっすよ。俺自身ここ数年聞いた事無いっすもん。」
と答えたのですが、

「いやいやそんなはず無いでしょ。あるよ絶対。無いはず無いじゃない、こっちの方でもまだまだあるんだから。」

「全く無いとは言わないですけど、少なくとも俺の周りの現役世代以下はそんな事言ってる奴見た事無いっすよ？これマジで、現実の話で。」

「えぇ？いや信じられないな。だって津軽の者を良く思ってないでしょ、八戸の人達。」

「っていうか、津軽に限らず自分に敵意向けてくる奴好きになる人いないでしょ普通。津軽だからとか関係なく。俺津軽方面の神職さんとも交流あるけど、みんな仲良くしてくれますし、俺も好きな人達ばかりだから、悪く思った事ないですけど。」

「そりゃお客さんの職業だからじゃないの？みんな人格者が多い仕事だから。」

「いや、神社以外の仕事されてる方でも、判断能力に欠ける曖昧な文化の八戸より、津軽方面の人の方が物事ハッキリしてて良い、って言う人いっぱい知ってますけど。」

「えぇ、いやぁビックリだなそれは。」

「そもそも、大浦さんが裏切った上司は今の盛岡の方にいた南部さんでしょ？八戸と対立する前に盛岡とやってくれって思うんですよね。八戸藩できたのそれから随分後なんだし。」

「まぁそう言えばあれだけど、同じ青森県になってるからね、八戸は。」

「どう思われようが、八戸の人間が嫌だってならそれはもうしょうがない事だとは思うんですけど、事実俺の周りの人達にとっては、津軽も南部も正直どうでもいいんですよね、気にしたことも無ければ興味もそんなに無いっすよ。ただ悪く言われれば言い返す人もいるでしょ？って程度の事ですよ。何をそんなに気にして生きてるのか、逆に全然理解できないです。」

「いやだって、そんなはずないんだけどなぁ…」

「コロナ感染者が八戸で出た時、津軽のラーメン屋が八戸ナンバー車お断りって張り紙貼ったってのがニュースになったじゃないですか？津軽の方が逆転して増えても八戸でそんな事したの聞いた事無いでしょ？別に一生懸命に津軽を嫌おうなんて思ってないっすから。」

「いやあれはね…」

「あぁそこの橋渡ったらすぐの道、右入ってください。すぐ目の前神社庁なんで。」

新青森駅から神社庁までの15分程度、ずっとこんな話されて疲れましたよ。

あと八戸と聞いた途端、わざとネイティブな津軽弁バリバリで話すのも勘弁してください。
八戸人だとマジもんの津軽弁本気で理解できないんですって。

どうしても嫌ならもうそれは個人の考えだからしょうがないですけど、現代でこれじゃ、ある種の人種差別だからやめてほしいです。

という事で、普通にお付き合いできるようになった方がお互いにとっていいと思いますよ、私としては。