陸奥国八戸総鎮守 法霊山龗神社ブログ

青森県八戸市の総鎮守である法霊山龗神社で行われている日々の社務や神社や神道に関する豆知識、地鎮祭やお宮参り、七五三をはじめとしたお祝い事をブログでご紹介しています。

八戸三社大祭社務日誌

戦前からの建築物の建築時期を証明できない為に工事が増えてしまった件

八戸三社大祭龗神社発祥三百年事業の一つ、新道との境界に立つ転落防止用板塀もほぼ完成のようです。

法霊山龗神社instagramからの投稿

今後は大規模な工事が始まっていきます。
全部終わるのは3年後位になりそうです。

ついでに言うと、現在の鳥居が立っている場所、最新のGPS測量では八戸市の土地にほんの少しかかっているそうで、鳥居も作り直して移動する必要があるみたいです。

県との境内地売却契約の段階である程度の工事計画を立てていましたが、いざ蓋を開けてみると、当初の予定から外れた工事が様々必要となりました。

一番困った事になってるのは、現在八戸三社大祭の着替えや直会などに使っている直会殿などまで解体新築する必要が発生してしまった事です。
同時に、神楽士の為の控室兼道具を保存する建物や、渡り廊下等も全て解体の必要があると市の建築指導課から言われてしまいました。

現行の建築基準法に照らすと違法建築です、との指摘。
改正前の70年数年前以前の建築基準法時代の建築物であれば考えるが、それが証明できないのであれば解体しないと違法になるそうです。

対処する方法無いですか?とは聞いたものの、違法建築物に解体以外の対処など無いそうで、やはりダメみたいです。

ちなみに直会(なおらい)とは、神様のおさがりなどを頂く宴席の様なものです。
例祭の後などに、よく集まって飲み食いしてるのをテレビなどでも見た事があると思いますが、ああいうのも直会の一種です。
他にも神酒拝戴(しんしゅはいたい)、つまり御神酒を乾杯の様に頂くのも、神饌の乾物を少しずつみんなで頂くのも直会の一種です。
平たく言えば「神人共食(しんじんきょうしょく)」、神のおさがりを頂くことで、神と共に食事をするというものを直会と言う、と思ってもらえればいいかと思います。

この直会殿、基礎がなくて束石という大きな石に乗っている構造の建物で、先代などの話を以前聞いた時には戦前の建物であるのは間違いないのですが、それを証明する書面など一切無く、解体計画を立てる事になってしまいました。
渡り廊下も同様で、証明資料が無い為解体される事になります。

その為、今後新築する計画を立ててはいるものの、難しいとなった場合はどうしよう?という部分で悩んでいます。
今のところ、直会関係はプラザホテルに会場を振り替える、又はそれが厳しい場合は直会を取りやめる、お祭りに関しては三社大祭の神社行列の人数を大幅に削減して対処するなどが案として出されています。

可能な限り足掻いてみようと頑張っていきますが、本当に大丈夫かなぁと不安な日々です。