八三社大祭龗神社オンライン渡御祭第二日目 〜露払い 〜
令和三(2021)年 八戸三社大祭
法霊山龗神社オンライン渡御祭第二日目 〜露払い 〜
協力:八戸テレビ放送、白陽写真館︎
写真1〜2:露払い(つゆはらい)
八戸三社大祭の法霊山龗神社神輿渡御行列は、先頭旗から始まります。二対の社号を冠した紫色の旗が左右横並びになり、龗神社行列の最も先頭を歩きます。
これを露払いと称し、御祭神が発御してお渡りになる神行列を先導する役割を担います。また、龗神社御祭神がやって来た事を周囲に広く知らしめる意味も持っています。
中世行列などでは、舗装されていない道を進み行く際に、障害物や悪路、草葉についた露などで装束が汚れない様に道を切り開く役だった事から、露払いと呼ばれているそうです。
装束は黒麻衣に饅頭笠、腰には帯刀します。足元は原則として草鞋を履きます。
この旗は、社号旗または社名旗と呼ばれ、よく見るのは
◯紫色の生地に白の染め抜き文字、又は白およびそれに近い色の刺繍文字
◯白さらし生地に墨書のような黒文字
◯錦生地に金蘭又は銀蘭刺繍の文字
などになります。
龗神社では紫地に銀糸の刺繍となっており、この旗を竹竿に付けて掲げています。
露払いは行列先頭を飾る、非常に重要な役回りですが、ただの旗持ちと思われがちで、露払いが注目される事は全くと言っていいほどありません。
しかし考えてみると、これ程重要な位置もないでしょう。何せその後に続く行列が何たるか、その看板を掲げているわけですから。
江戸期の参勤交代などでは、先頭の旗を見て街道の人々はどこの藩の行列かを把握するわけですし、三社大祭では、直前までの行列と御渡りになる御祭神が変わったことを示していますので、大変重要な所役です。
そして、直前の山車が過ぎて露払いがやって来ると、途端、一瞬のうちに空気感が変わるのが分かります。
この瞬間が非常に興味深い部分なのですが、それを伝える素材映像を持っておらず、皆様にお伝えする事ができません。
もし来年以降八戸三社大祭をご覧になられる機会があれば、空気感が変化するこの瞬間を是非感じてみてください。