陸奥国八戸総鎮守 法霊山龗神社ブログ

青森県八戸市の総鎮守である法霊山龗神社で行われている日々の社務や神社や神道に関する豆知識、地鎮祭やお宮参り、七五三をはじめとしたお祝い事をブログでご紹介しています。

八戸三社大祭

八戸三社大祭法霊山龗神社オンライン渡御祭最終日第三十七日目 〜行列後抑え・挟箱・薙刀〜︎

令和三(2021)年 八戸三社大祭
法霊山龗神社オンライン渡御祭最終日第三十七日目 〜行列後抑え・挟箱・薙刀〜︎

法霊山龗神社instagramからの投稿

写真1:行列後抑え︎
写真2:挟箱、薙刀

協力:白陽写真館

本日は龗神社行列の最後となります、行列後抑え(ぎょうれつあとおさえ)、挟箱、薙刀になります。

行列後抑えはその名の通り、龗神社行列全ての最後を意味する所役で、現在は龗神社筆頭総代の河内屋一族の方に所役をお務め頂いています。
それに供するのが薙刀と挟箱で、薙刀は形式上は後抑えを守護する為となりますが、実情は威儀物と同じで、行列の体裁を整える意味を持つものと考えられます。
実は挟箱と薙刀は他の場所にも配置されますが、説明がかぶるので最後の紹介と致しました。

そして写真が他の場所に配置されているものしかありませんでしたので、そちらを掲載しました。

挟箱は、後抑えの装束等を運ぶ為のものであったと思われますが、現在は薙刀と同じく行列の体裁を整えるものになっており、箱の中に何かを入れて運ぶという事は無くなっています。

以前の投稿で、11台の風流山車は神社行列の一部であり、別の団体が行列の後について来るものではないと書きましたが、行列後抑えがこの位置に配されるのがその証左です。

龗神社行列で附祭と判断すべきものは、︎
重地大神楽︎
笹の葉踊り及び商宮律︎
湊・新井田・左比代虎舞︎
法霊神楽︎
笠鉾︎
屋台山車︎
風流山車11台
となります。

しかし現在、法霊神楽は神社直属の為附祭とはみなしません。
笹の葉踊りも法霊神楽と同一の様に考えられますが、参加者が神社に所属する法霊神楽士とは違い、笹の葉の参加者は一般から広く募る為、附祭の一つと考えています。

また笠鉾と屋台山車は、神社以外の団体が曳き出して供奉するのではなく神社自身が曳き出しているという事から、これも附祭とは言い難くなっています。

これ以外の団体を附祭とする為、配置される場所は違えど風流山車も含めて龗神社行列となりますので、その最後に行列後抑えがつく事になっています。

先代宮司は附祭と神社の所役に明確な立ち位置の違いを見出していましたが、それが神社と山車が別々の行列を行なっていると勘違いされる要因となってしまいました。

立ち位置の違いは、あくまでも御祭神との関係性の上での事であって、別物と区別する為のものではありません。

事実附祭の虎舞などは行列各所に配置されている訳ですので、これを神社行列と別としてしまうと、行列が途切れて何班にもわかれて来る事になります。

龗神社行列は露払い、つまり先頭旗から行列後抑えまでをもって龗神社行列とする、という事をご理解頂き、将来行列をご覧頂ければと思います。

また山車は、三神社合計27台あります。

これは各神社に附く山車毎に奉斎する神が違う為ひとまとめに論ずる事ができませんが、11組以外の山車組にも特徴や見所があり、また神社行列の趣旨も各社違います。

今回このオンライン渡御祭は当神社独自の都合で行っておりますので、神羅さんと神明さんの事には触れる事ができませんでしたが、三神社とも事情は違えど飾りで行列する訳ではなく、御祭神を奉じております。

そして今回ご紹介した龗神社11附祭以外の山車組も、それぞれ奉斎する御祭神に基づいて、各神社の信念に基づいた活動を行なっているものと思います。

八戸三社大祭は、その名の通り三神社の合同祭祀でありますので、来年通常通りの大祭がなされた時には三神社の行列の違いや山車の違いも楽しんでくだされば有り難く存じます。

以上を以って、オンライン渡御祭全ての行列所役等の紹介を納めます。

本日を以ってオンライン渡御祭は終了となりますが、明日以降、一部期間中紹介できなかったものを、動画を交えながら紹介します。