八戸三社大祭龗神社発祥三百年奉祝記念事業実行委員会　設立趣意書

～ 八戸の人々が紡いだ三百年の祈りを後世へ ～

享保6(1721)年に、当時法霊社と称した法霊山龗神社で発祥した現在の八戸三社大祭は、令和2(2020)年、発祥三百年目の大奉祝式年を寿ぐことと相成りました。

百年に一度しか訪れない佳節の時代に生き、大祭に関わっている事に大きな慶びを感じるとともに、八戸最大の祈りの場である大祭を厳かに斎行するべきその責任の重さを今一度噛み締める思いでおります。

今や八戸三社大祭は県内外・国内外問わず八戸市最大級の知名度を誇る、言わば注目を集めやすい大祭へと成長を遂げ、事実多くの方々が八戸に来られるようになってまいりました。

しかしながら同時に、本義本質の「祈り」の意味を伝える事がおろそかになりがちであるなど、御神事の価値と必要性を見失いつつある事が近年問題として浮き彫りになりつつあります。
同時に、老人から子供までが参加する大祭の中で、目上を敬い先人達に学び、歴史に学び、人間関係に学び、社会道徳を学ぶ、この様な麗しき我が国独自の国民性をも見失いつつあると感じています。

今この時に三百年の大奉祝式年を迎えられたことは、この様な現状に対して神が御手を差し伸べ、今一度足元を見直し、学ぶ機会を与えられたものと心深く感じ入っております。

その為にも、唯一、三百年の式年を迎える当社として、広く周知し盛大に式年を祝い、また形として残していくべく、奉祝記念事業を実行する事と致しました。

多くの関係者はじめ八戸市民、また八戸三社大祭を愛する世界中の方々に趣旨を御理解賜わりたく、また御奉賛を賜りたく、衷心より此処にお願い申し上げます。

法霊山龗神社
第三十一代宮司
坂本　守正