大祓は年2回?年1回?
本日18時より夏越大祓を執り行い、滞りなくお納め致しました。
本年も昨年同様、関係者のみで執り行わせていただきました。
12月31日の晦日大祓に関しては、状況を見ながら検討していきたいと思います。
ところで、大祓は何故年に二度執り行われるのか?という話。
様々な説がありますが、ひとつ、へぇーって感じの説について書きます。
大祓式は今も昔も6月末と12月末に執り行われています。
しかし認識が違う部分というのが、現在では年2回、古来は年1回という認識の部分です。
しかしこれでは、同じ回数同じ日に取り行っているのに年間の回数が違うという矛盾が生じます。
この部分が、この説のポイントです。
往古、春秋暦という暦の見方が存在し、1〜6月で1年、7〜12月で1年、とされていたというのです。
そしてその時代から年に一度、全ての罪穢れを祓い清める大祓が行われていたものの名残が現代に続いているので、春秋暦での1年の最後の日、6月と12月の晦日に執り行われている、という説らしいです。
その為、古代天皇が126歳で崩御、となっている場合、単純に63歳で崩御、という事なんだとか。
しかしながら、春秋暦が日本で採用されていたという学術的根拠には乏しいらしく、アカデミズムにおいては主流ではないそうです。
一部中国の史書などには、当時の日本で春秋暦が使われていたと伺わせるような記述が無いこともないそうですが、明記されている訳じゃ無く、決定的なものにはなっていません。
そこで春秋暦の名残だ!と主張されている民間風習の一つが大祓みたいです。
他には、やはり春と秋の年2回の彼岸なども春秋暦の名残とされたり、幾つかの傍証のようなものが主張されています。
また雄略天皇の享年が、古事記で124歳、日本書紀では62歳となっているのが、古事記が成立してから日本書紀が成立するまでの間に春秋暦から旧暦に暦が変更された証拠だ、とするものもあるそうです。
確かに大祓式も、知らず知らずに犯した一年の罪穢れを祓い清める、等と言われますので、一年と言われれば春秋暦って見方もあるのかなぁと思ったりしますが、もう少し決定的な何かが欲しいところです。
いずれにせよ、半年後には師走の大祓がありますので、皆様も一年の全ての罪穢れを祓う機会として、大祓人形をお受けになってみてください。