陸奥国八戸総鎮守 法霊山龗神社ブログ

青森県八戸市の総鎮守である法霊山龗神社で行われている日々の社務や神社や神道に関する豆知識、地鎮祭やお宮参り、七五三をはじめとしたお祝い事をブログでご紹介しています。

八戸三社大祭

八戸三社大祭の日程や運行ルートはどうあるべきなのか?という話

法霊山龗神社instagramからの投稿

6月10日の投稿について、多くのコメントとDM、またはメールでのご連絡をいただきました。

特段非常に印象的だったのは、仏教寺院の僧侶様よりDMで寄せられたご意見でした。

紹介できないのが残念ですが、心に響く多くの御言葉を頂き、悟らぬ私は感動すら覚える激励を頂きました。

さて、多くのご意見の中、運行ルートと日程の話がいくつかありましたので、この機会に書いておこうと思います。

まずは日程に関して。今回は今までの簡単な流れや印象的だった出来事を書きます。

三社大祭日程は過去何度か変更されており、本来の日程は9月1日〜3日だったそうです。

日程の根拠は、9月2日が法霊明神となった実在の修験者「法霊」の命日であるから、最重儀の例祭を中日とする日程になったとされています。

現在は8月1日〜3日となっていますが、これは8月2日〜7日に開催される青森ねぶた祭りとタイミングを合わせ、観光効果を狙う為変更された、と聞いています。

近年、8月の第一又は第二土曜日及び翌日曜日を絡めた日程にしたいという意見があがり、運営委員会の席でも議論がなされた事があります。

その際私が最初に言われたのが「子供達の熱中症リスクを軽減する為」でしたので、リスク軽減を目指すのに、なんで8月を選ぶのか、また同日日中に開催されている祭りは他地域に多くあるが、そちらは実行可能で三社大祭では不可能と考えた理由を明示してほしいと伝えました。

次の会議の際上記の返答は無く、代わりに提示されたのが「参加者は土日を絡めないと有給を取る必要がある。会社にも嫌がられるので、参加しやすい様に土日を絡めた方がいい。」

そこで、八戸市の発表する統計では土日休みが可能な人は40%程度となっているが、残り60%の方はどうするのか?主要メンバーがそうだとしても、圧倒的多数の参加者が違う場合の軋轢は無いのか?逆に主要メンバーよりも流動的な参加者の方を優先しなければ人の定着は叶わないのではないか?と質問しました。

次の際もやはり明確な返答は無く、新たに「観光効果を狙う上で、旅行代理店のシステム上土日があると変わってくる。代理店としても経済的事情を考えて土日がある事が望ましいはずだ。」となっていました。

なので、東北夏祭りツアーや弾丸バスツアーなどは土日関係なく組まれているが、それはどういった意味なのか?と質問しました。

本当はこんなやり取りせず、御神事の縁日日程の重要性をひたすら言えばいいはずなのですが、担当していた方と2人での事前交渉の際、この案に同意しなければ神社として大変な事になりますよ?と警告を受けましたので、どれ程の話かと思い、一通り聞いて合わせた切り口から意見する事にしていました。

正直荒唐無稽な発想を堂々と主張する事が面白くなっていたのも半分ありましたが、それもやりすぎてはいけないと思う事に発展してしまいます。

最後には「時期が変わってねぶた祭りと日程がずれれば、お互いがお互いのお祭りに参加したり見に行ったりできて、有意義な交流が可能になる。」

これを聞いて、ふざけるな、ねぶた見れるからこっちの日程を変えてくれってどういう感覚してたら言えるんだ、どこまで神社をバカにしたら気がすむんだ、道徳心を顧みない我が国の伝統を破壊する左翼思想の者は一切祭りに関わるな!

思わずそう叫んでいました。

この時、理詰めで一つ一つ対応する事が必ずしも良い事ではないんだ、という事を学びます。

東京のサラリーマンだった私はまだ地元に帰ってきたばかりの時期で、会議ではこれが普通の事と思って行動したつもりでしたが、地方には地方色があり、八戸では潰しをかければ最後こんな事になってしまうんだと、いい歳こいて学ぶ事になったのです。

それ以降あまり話題には上がっていない日程変更議案ですが、それでも土日案を希望する人は多いかもしれません。

では法霊神楽ではどうなっているかというと、その年どうしても仕事の都合等で供奉できない場合、今年はご縁に当たらなかったとして行列は参加せず、仕事前の早朝や仕事終わりの夜に神社に詣出て神前に拝礼しています。

また新井田虎舞の場合、見てる限り大祭当日全員が参加していない様に見えますが、7月の休日に行列に参加できない人も含めて全員で来社し、今年も供奉させて頂く事の感謝を伝え、期間中安全に立派に御奉仕できますよう、と祈願祭を行なっています。

上記2つの附祭の様に、神のご縁を大切に思うというのが崇敬の最も基本的な考え方ではないかと思います。

以上を踏まえ、次回神社の考えを書いていきたいと思います。