八戸三社大祭法霊山龗神社オンライン渡御祭第四日目 〜重地大神楽連中〜︎
令和三(2021)年 八戸三社大祭
法霊山龗神社オンライン渡御祭 第四日目 〜重地大神楽連中〜︎
写真1〜4:重地大神楽連中(しげちだいかぐられんちゅう)お通りの様子︎
写真5:吉幾三さんとの記念撮影︎
写真6:重地大神楽の獅子頭︎
写真7:お囃子方︎
写真8:大神楽に参加する子供達︎
動画1:練習風景
先駆の後に続くのは八戸市新井田地区に拠点を置く、重地大神楽連中です。
龗神社行列の一番最初の芸能になります。
法霊神楽をはじめとする、青森県の南部地方や岩手県などで伝承される、権現頭による歯打ち等に特徴を見せる山伏神楽とは違い、赤い獅子頭にコミカルな動きなどが特徴的です。
ちなみに写真7の左にいるメガネの男性、この方が重地大神楽の代表者です。
安心してください。
カタギの方です。
我々と同じ一般人です。
ちょっと見た目に迫力があるだけで、話すとニコニコ楽しい方で、優しい人です。
大神楽には現在の三重県伊勢・愛知県熱田などいくつかのものが存在するようですが、どうやら重地さんは伊勢大神楽の流れを汲むようです。
元来大神楽は、伊勢や熱田の神職が舞う邪気祓いや招福のものだったそうで、殿内での奉納から出張して行うように発展したものが、現在の大神楽の形式となっていると伺っています。
それから江戸時代などは、お伊勢参りが隆盛の頃、代理参拝の一形式としても発展し、民衆の支持を集めたそうです。
その他の代理参拝として「犬の伊勢参り」という有名な話もありますね。
所役としては、神の御渡りになる道や辻を祓い清めて歩く、と言われています。
またあやかし物や邪神などを祓い退け、神の通り道の障りを除くとも言います。
そして江戸時代などの大神楽には、他にも重要な役割というのがあったそうです。
それは、行列が近づいて来ている事を鳴り物などで周辺に知らせる役割と、御祝儀集めをするという役割です。
大神楽は大名の参勤交代にもついてまわっており、清祓いや邪気退散のような目的にしては芸達者に過ぎる、つまりコミカルで人を楽しませるに優れている部分があります。
他の清祓いを目的とした行為は押し並べて厳粛なものが目立つ中、大神楽は真逆です。
鳴り物で近づいている事を周知し、宿場や町村などで人々から御祝儀を集める為、見るものを楽しませるコミカルな動きや、今で言う大道芸の様な見せ物の技術が磨かれていった、と解釈されているのだそうです。
全国様々な太神楽が記された文献を見れば、そのような記述が実際ありますが、元は神職が行うものだったからなのか、祓いの意義や目出度い舞である部分を強調する書き方をされる文献が多いように見えます。
現実の行列においては祓いもそれ以外も、いずれの意味も重要な事ですので、無くてはならない存在です。
龗神社行列においても、清め祓いながら神社行列がやって来る期待感を高揚させてくれる重要な所役です。
また、獅子舞の頭の動きに合わせて、後ろの子供が一緒に首をかしげるような動きがとても可愛らしくて好きです。
将来重地大神楽をご覧になる際は、純粋に楽しんで、また子供達の一所懸命で可愛らしい姿をご覧になってみてください。
そして行列の際に楽しんでいただけましたら、是非とも少しばかりのお心付けを大神楽の皆さんに対してお願いできれば、今後の伝承において大きな励みになります。
また最後の動画は、重地大神楽さんの練習風景です。こんな感じで練習されているそうですので、もし参加してみたい、と思う方がいらっしゃれば、龗神社までご連絡下さい。