多くの方が勘違いされている厄年の年齢について
今日厄年のお祓いに来られた方とのお話で思い出した、多くの方が勘違いされている事について。
厄年の年齢についてよくある間違いですが、なかなか「実年齢」ではなく「数え年」で見る、というのが浸透していないんだなぁ、と思っています。
数え年は生まれた時がすでに1歳となり、誕生日は関係無しに、新年1月1日を迎える度に一つ歳をとります。例えば2000年10月1日生まれの方は、その段階で1歳、2001年1月1日に2歳になります。12月31日生まれの方は、生まれた翌日が2歳です。なので、学校の同級生でも、早生まれの方は下の学年と厄年が同じになります。
自分の数え年を簡単に計算するには、その年の誕生日を迎えられた方は、実年齢に一つ歳を足す、誕生日がまだの方は実年齢に二つ足すと数え年になります。
今日の方にも聞かれたのですが、一番多く聞かれる質問で「厄年祓いに来るタイミングって、誕生日過ぎてからがいいですか?」というのがあります。前述の通り、誕生日は関係無いんです。龗神社では、新年になってから節分迄に受けるのが良いですよ、とお伝えする様にしています。厄年に一度でも大変な思いをされた方は、少しでも早くお祓いしたいという事で、それこそ正月三が日のうちに来る方が多いです。
そして次に多い質問が、厄年って、やっぱりお祓いした方がいいですか?というもの。個人の考えや信仰にも依るのでしょうが、私の立場で言うなら絶対に受けた方がいいですよ、となります。
結構多いのが、厄年を迷信の一種みたいに考えているというものなんですが、昔近畿地方のとある神職さんから説明を受けた時に教えてもらった話では、決して迷信の類では無いという事でした。
何で男女の厄年が違うのか、どうして前と後があるのか、という意味に大きく関わる部分なのですが、厄年は一種の統計学のようなものなのだそうです。
昔の方々は、医療も科学も発展していない中、大体このくらいの年齢になると体の変化や環境の影響で心身に様々あるなぁ、というのを感覚的に知っていて、それを統計的に見た時に一番厄が訪れやすい歳を本厄とし、人によってはそれが早く出たり遅く出たりするので、前と後を設けた、という事なんだそうです。
そして、男女ではホルモンバランスの変化が違うから、当然体の変化も変わってくるわけで、だから男女の厄年は違うんだと。
例えば女性の最初の厄年は数え年18歳ですが、昔、といっても昭和の戦前位までは、普通に出産適齢期に当たりました。ホルモンバランスが崩れやすく、情緒面でも難しい時期だそうです。
また女性の大厄と言われる数え年33歳は、老化が急激に進むあたりの年齢と言われています。
男性の大厄である数え年42歳は、現在では初老の年齢です。40歳から初老に分類されるそうですから。無理が効かなくなったり、疲れが取れなくなったりなど、体の衰えが顕著になる歳ですね。
この様に、昔の人々の知恵として感覚的に知っていた事を統計的にまとめたものが厄年なんだそうです。決して迷信や占いの類では無いそうですので、もし厄災に見舞われてもこの程度で済んで良かったと思える様に、御神徳を願ってお祓いを受けられた方がいいのでは?と、個人的には強く思います。
※写真の表では女性の61歳も掲載していますが、これは老い厄年と言われ、厄年に含まれるかどうかは神社によって判断が違いますのでお気を付けください。参考までに神社庁の「お宮のこよみ」では、女性の61歳は厄年としていません。