村の守り神である蛇神様を御還し(抜魂)してきた話
本日、青森県十和田市に伺い、ある地域の山というか森というか、その中に永く鎮座していた蛇神様の魂抜きを御奉仕してきました。
以前十和田市で地鎮祭を御奉仕させて頂いた方から御連絡を頂き、本日伺う流れとなりました。
事前のやり取りで様々伺ったのですが、何という神様をお祀りしてるんですか?と聞いたところ、その地域の誰に聞いても蛇の神様としかわからない、という事でした。
古来から日本では蛇=龍という見立てが多く、いずれの場合においても水に関わる神であろうとは思うものの、お名前がわからないもので、祝詞では
この御社に鎮まり坐す蛇とも龍とも伝え聞きたる尊くも畏き大神等
という様にお呼びしました。
現地に行ってみると、小さなお社が崖の上に鎮座しており、崖下には飲めば長寿になると昔から伝わる小川が流れていましたが、雪ではっきり確認できませんでした。
いつの頃から祀っていたのかわからない程古い神だそうで、村の鎮守様の様な位置付けなのだそうですが、今回大規模なソーラーパネル発電設備を設ける事となり、移転も難しいので廃祀する運びとなったそうです。
神に、この社を取り壊すので元の場所に御還りください、と伝えるというのが今回の趣旨になりますので、祝詞では
永くこの郷村を守り恵み頂き、日々平穏に過ごし来た事は、大神等の恩頼によるものであると感謝に尽きないものの、世の状は変わり進み開け、人々の求めも状況に応じて変化している。
その為、此の度この山を開き、この御社も解体させて頂く事となった。
ここに至るまで関係者は謀りに謀り、また思いも沢山にあるものの、今日という日を選び、事の顛末を大神達に報告すべく御祭を執り行う事とした。
この事の由をどうか承諾して納得して頂きたく、関係者が集まり饌を供し拝礼するので平穏にお聞き届け頂きたく乞い願っている。
どうか大神達はこの後は天を翔け國を翔けて元々の御座に還り鎮まって頂き、関係者全てに咎無く祟る事もなく、またその御霊は荒ぶる事なく、美しい小川のせせらぎの様に静かに鎮まり給い、今後も行く末を守り恵み幸わい給いますよう乞い願い申し上げます。
という様な感じにしました。
ちなみに昨日苦労して作文してたのはこの祝詞です。
そして祭典は滞りなく無事納められました。
しかし祝詞の時に気になる事が。
祝詞奏上も終わりに近付いた頃、お社の向かって左後方の杉の木の上から、何か黒い感じのものが落ちてきて、そのまま右側にある崖下に飛んで消えていきました。
昨日作文した読みなれていない祝詞だったので、じっくり見る余裕がありませんでしたが、視界の端に確実に見えました。
音は全くありませんでした。
この事は一応申込頂いた方にはお伝えしましたが、ここの神様が元の水辺へと還って行かれたものと理解する事にしました、勝手に。